ゲームな日記

君にやっと巡り逢えた
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「甘ったるいニルバーナ」6ページめ



 朝霧の烟る早朝。アンダワルドの門前には隊列ができていた。
 隊列と言ってもせいぜい十人と少しの構成の班が2つだ。普段どおりアンダワルドを護る兵士は必要だし、新米で任務を放棄した奴も何人かいる。怪我などで満足に動けないベテラン兵も連れてはいけない。
 構成兵だけ見ると少ないように感じるけど、一人に一匹スカイハマーゲイルがつくのだから、全体としての数は多いように感じる。
 点呼の声を聞き流しつつ、東から明けていく空の白みが眩しくて目を細めた。
 ナロールの巣のアクアドラゴンは、普段洞窟の中で暮らしていたはず。ならば、いくら外に出るようになったからといっても、暗闇から光の射す時間帯にはその眩しさで動きが鈍るはずだ、というのが門からアクアドラゴンの様子を監視していた兵の情報で、父さんもその意見に同意している。陽が昇る時間帯、陽が沈む時間帯、それぞれアクアドラゴンの動きは鈍くなっているのは確かだ、と。
(ばーちゃん、まだ怒ってんのかな…)
 ウェンダ隊長の方針というか、なんというか、逃げたい奴は逃げればいいって物言いは兵を通してそれとなくアンダワルドに知れ渡ったみたいで、ばーちゃんまでそのことを知っていた。だから、お前は行かなくていいんだと引き止められた。
 正直に言えば、引き止めてくれたことは嬉しかった。ばーちゃんにとって俺が邪魔者なだけではないって分かったし。俺が譲る気がないって分かると蹴飛ばすみたいにして家を追い出されたけど…ばーちゃん、泣いてないといいな。
 これで俺も父さんも帰らないようなことになったら、ばーちゃんが一人になる。望みの薄い任務でも、やり遂げるしかない。
 アクアドラゴンの異変の原因さえ分かればいいんだ。それさえ掴めれば…。
「、」
 若干の眠気と考えに耽っていた頭がはっと我に返る。
 背中が痒くなるような視線を感じて、それとなく辺りに目を向けてみる。
 新米兵は緊張した面持ちで落ち着きがない。対してベテラン兵は場数を踏んでいるだけあって落ち着いている。兵の隣にはそれぞれスカイハマーゲイルがいて、翼の羽繕いをしていたり、地面を引っ掻いていたり、こっちもそれぞれこれからのことを考えている感じで、俺のことなんて見ていない。
 ただ一匹。ウェンダ隊長の隣にいるスカイハマーゲイルだけが、じっとこっちを見つめていた。瞬きも羽ばたきも一切せず、彫像みたいにじっと俺を見ていた。
 それとなく視線を伏せてメロディを見てみる。メロディも、これから突入ってだけあって落ち着きがない。それでも俺の視線に気付くと首を捻ってなんだよって仕草をしてみせる。
(いやいや、気のせい…)
 武器のぐあいを見るため、という体を装って背中の杖を眼前に持ってきて、その向こうに隊長のスカイハマーゲイルを見える位置にしてみた。杖からスカイハマーゲイルへと焦点を移せば…やっぱり、俺を見てる。なんでだ。

「それでは、各隊。まずはA班からナロールの巣へ突入する。指揮は私が執る。B班はウェンダ隊長の指示に従うように」

 アンダワルドから派遣されてきたベテラン兵の一人がそう声を上げ、スカイハマーゲイルに跨るとピュイっと口笛を吹いた。ばさり、と翼を広げて一羽が飛び立つと、A班の兵を乗せたスカイハマーゲイルが次々と空に舞い上がり、ジドレイの浜へ向けて滑空を開始する。その中には父さんの姿もあった。
 俺は黙って片腕の父さんを見送った。
 これで最後だなんて縁起の悪いことは思わない。
 初任務を無事やり遂げて帰ったら、ばーちゃんを連れて久しぶりに家族で外出してさ、バーでなんか食べよう。俺はローストチキンがいいな。たまにはこってりな肉が食べたい。

「それではB班。私に続け。遅れるなよ」

 ウェンダ隊長がひらりとスカイハマーゲイルに跨る。そのスカイハマーゲイルは機械的なぎこちない動きで俺から視線を剥がし、手綱にさばかれるまま上空に舞い上がった。
 さて、いよいよ初任務だ。なんかあのスカイハマーに見られてたけど気にしない方向でいこう。
 …で。今まで一度も試したことがなかったものの。
「あのさ、メロディ。お前俺を乗せて飛べるの…?」
 素朴な疑問をぶつけると、メロディがごっと口で膝チョップしてきた。地味に痛い。馬鹿にするなとばかりに大きく翼を広げてバサバサさせると、さっさと乗れと背中を向けてくる。他のスカイハマーゲイルがどんどん飛び立つ中で遅れていることに苛々しているらしく、カチカチと歯を鳴らしている。
 ええい、と覚悟を決めて跨る。練習で他のスカイハマーゲイルに何度か乗ったことはあるけど、鞍は不安定だった。まだ座り方というか重心の預け方というかが分からない。初心者用のグリップがあるタイプを選んでよかった。掴まるところがなきゃずり落ちそうだ。
 片手でグリップを、片手で手綱を握って「メロディごー」と声をかけると、一段と大きく翼を広げたメロディの身体が、浮いた。俺を乗せたままちゃんと飛べた。ドラゴンっていうのはすごい。小さくても大きな力を秘めている。
 多少遅れながらもB班についていくメロディは頑張って飛んでいるようなので、俺はずり落ちないように細心の注意を払いつつ、眼下のジドレイの浜の様子を見ることにした。
 ……アクアドラゴンの動きは確かに鈍い。水の中でじっとしていたり、ボールグラブの残骸を貪っていたりで、激しい動きはない。ジドレイの丘に近づいているドラゴンもいないみたいだ。
 でも、なんか、数が少ないような気がする。普段からジドレイの浜を見てるわけじゃないからなんとも言えないけど…。気のせい、だといい。
 先行したA班の隊長がナロールの巣の入り口付近に下り立つ。辺りに異常がないことを確認してから各兵も続いて下り立つ。
 A班が先行してナロールの巣へ突入していくのを見送りながら、B班の隊長がナロールの巣の入り口に下り立った。俺達もそれに続く。


ナロール 入り口


 ばちゃ、と水の中に下りることになってメロディが嫌そうにカチカチ歯を鳴らしていたけど、今回は我慢だ。みんな我慢してるんだから。
 メロディから下り立って、岩場の影や水面下に注意を払いつつ、新米の多いB班はA班より慎重に洞窟の入口へ。
 ウェンダ隊長が深さのありそうな水場を指して『行くぞ』といった合図を手でし、颯爽と飛び込んだ。隊長のスカイハマーゲイルもそれに続いた。
 ナロールの巣は水中を通って中に行かないとならないと書類で事前に確認はしてるものの。息を止める練習も習ってきたものの。
 ごく、と唾を飲み下して、まずは深呼吸。落ち着け俺。普段と同じにやれば絶対できるんだから。
 息を止める方法はそれぞれだ。単純に息を止めて泳ぐ奴もいるだろう。が、俺は体力系ではないし、30秒息を止め続ける自信がないので、ズルをします。なんといっても魔法使いだからね。
 まずは杖を構え、ポケットから緑色のころりとした石を取り出す。魔力の結晶石。いざってときに使うものなんだけど、仕方ない。
 石に杖を当てて集中して念を込めて魔力を高め、メロディの顔と自分の顔を覆うように空気の塊を被った。イメージ的には首まで覆う空気のヘルメットをつけた感じ。
 魔法はイメージが大事だ。それがそのまま形になることもある。
 颯爽と、なんてかっこよく水に飛び込めないのは俺だけじゃなかったようなので、何人かの新米とざばざば水の中に分け入って、足のつかなくなるところまで行ってからメロディと視線を合わせて、潜った。
 空気のヘルメットのおかげかわりとすんなり水面下に辿り着いて、ざばっと顔を出す。
(…ここが……)


ナロール 中


 濡れて重たくなった衣服の裾を絞りつつ、ばさばさ翼を揺らしてなんとか水気を飛ばそうとしているメロディを確認。他の新米兵もベテラン兵に手助けされてみんな入り口の水場を越えられたらしいと知って、まずは一息。
 ウェンダ隊長は冷静沈着な面持ちのまま洞窟内を見回した。先行したA班の姿は近くにはない。
「A班は奥に行ったようだな。私達も続こう」
 服を絞るのは諦めて杖を手にする。いつでも何が起きても大丈夫なように準備だけはしないと。
(…それにしても、静かだな。アクアスケールドラゴンの巣窟だって聞いてたけど)
 アクアスケールどころか、ボールクラブとかネズミの姿もない。
 やっぱり変だ。ナロールの巣に何かがあった。だからアクアドラゴンは外へ出てきてしまったんだ。
 でも、一体何があったんだ? そう疑問を抱きつつ、警戒を怠らないように注意しつつ、洞窟の奥へと歩みを進めていく。
 地下深くまで広がっているらしい洞窟は石ころ一つ蹴飛ばすだけでも音が反響する。ということは、どこかで父さん達A班が戦っていたら、その戦闘音は必ず伝わってくるはずなんだ。それなのにこんなに静かだ。自分達が踏みしめる地面とブーツの底がこすれる音、静かに潜めた呼吸音しかしない。
 そのまま洞窟中腹辺りまで辿り着いたとき、右手側、さらに地下へと進む方から、ギャッ、という鈍い悲鳴が聞こえた。はっとして杖の先を向ける。続くのは鈍い音だ。人の倒れる音。
 A班か。誰かやられたのか?
「構うな」
 みんなの意識がそっちにいったことにウェンダ隊長が冷たい声を放つ。声より冷たい双眸で暗闇に沈む洞窟内を静観している。「班の役目を忘れたか。我々はA班が洞窟内の生物の注意を引き付けている間に内部を調査する」…そのとおりだ。そういう段取りだった。ここで助けに向かうなんて本末転倒だ。
 隊長は左手側の水場に向かった。静かに水に分け入って先に進んでいく。
 断続的に響く戦闘音に気を取られないよう前を向いて集中しながら、水面下で翼をもたもたさせて泳ぎにくそうにしているメロディには空気のヘルメットをつけてやった。それで沈んでも水底を歩いてくればなんとかなる。
 短い距離を泳いで岸辺に辿り着いて、一息吐いて顔を上げて、
 視界いっぱいに入ったのは、あんぐりと開けられた、牙の並んだ大口。
 反射で地面を蹴って水場に倒れ込むのと、ガチン、と勢いよく閉じられた口が俺の額の一皮と髪を削るのは同時だった。
 一瞬でも判断が遅れていたら今頃首から上はなかった。
 つっと額から伝う血を払う暇もない。さっきまで気配もなかったアクアスケールドラゴンが目の前でガチガチと牙を鳴らしている。
 水場にいたんじゃアクアスケールに有利すぎる。とにかく岸辺に上がって奥に行かないと。
 そうこうしているうちにざばんと大きな音がした。新米兵の一人が水の底からやってきたアクアスケールに足を噛みつかれ、水中に引きずり込まれていく。
 まだ向こう岸にいたベテラン兵と新米兵はどこからかやって来たアクアスケールに応戦していて助けにいけない。俺も目の前のアクアスケールに目眩ましのサンダーを食らわせるのに手一杯で、助けにいけない。
 ぶくぶくと上がる気泡。
 水の底の方で、じわり、と赤い色が広がって、広がって、滲んでいく。
 隅の方から岸辺に上がったメロディが翼を広げて唸り声を上げると、目の前のアクアスケールは俺からメロディに意識を移した。
 とにかく陸地に。水場では勝ち目がない。
 メロディの放った電撃攻撃、パラライズランプの光にアクアスケールがメロディの方を獲物と認識する。その隙に陸に這い上がった。水は氷みたいに冷たいし、濡れた衣服は肌に纏わりついて重い。まるで氷の鎧を着込んでいるみたいだ。
「奥へ!」
 サンダーを放ちまくってお互いを援護しながら、俺とメロディは水場を離れることができた。アクアスケールに追われるようなかたちでとにかく走って、走りながらポケットから石を取り出す。
 やるしかない。時間はかかるけど。その時間が稼げなければ、俺達はアクアスケールドラゴンの餌になって終わり、だ。
 よぎったのは、水の中に引きずり込まれたまま上がってくることのなかった新米兵が流した赤い色。
(落ち着け)
 助けに戻ろうなんて考えるな。今は自分の生存を第一と思え。
 メロディのパラライズランプと俺のサンダーで足の鈍くなっているアクアスケールに、魔力を増幅させた落雷を落とした轟音は、洞窟全体をビリビリと震わせた。
 気がつけばかなり奥まで来ていたらしく、もう水場は見えないし、何かこもった音が聞こえる程度で、追ってくるアクアスケールの姿はない。念のため焼き焦がしたアクアスケールの脳幹を貫いて止めを刺して、は、と息を吐く。
 ざまぁない。膝が笑ってる。
 最初から無謀な計画だった。犠牲者は必ず出る。分かっていたことだろう、俺。
(…調査。調査って、何をすればいいんだ。アクアドラゴンが変わってしまった原因? 具体的にどんなものか、分からないのに、調査? 新手の病気か、ウイルスか。アクアドラゴンの屍体を持って帰れば少しは分かるのかな…)
 その場合だと、俺の焼き焦がした屍体じゃ駄目だな。もっと損傷の少ないものでないと。
 いや、今はそんなこと考えてる場合じゃないだろう。落ち着け。落ち着け俺。
 一つ深呼吸をして、杖を手に辺りを窺う。水の音とこもった音以外何も聞こえない。
 俺と同じく辺りを見回していたメロディが低く唸り声を上げた。人間の俺よりドラゴンであるメロディの知覚機能の方が上だろうと、振り返りざま杖の先を向ける。
 洞窟とは思えないような広い空間。その最奥に、何か、いる。

 
ナロール 中
 

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【 2015/01/28 (Wed) 】 甘ったるいニルバーナ | TB(-) | CM(0)

ギグラさん!



 タイニアのID、トナパの墓穴とミックトランの裏道にバモと同じちょー低確率で出現するというアースタイプの新ドラ、ギグラスパイク
 同じ形の色違いで徘徊にフォイマーラベリアっていう茶色の子もいるんですが、こちらはギルメンにいただいた卵があるのでそれを頑張ってマックスステで孵してげっとするとして…問題はギグラさん。タイニアは卵がほぼないに等しいので、手に入れるためにはインキュベ前と同じでひたすらIDを周回するしかないという
 前にオリさんと裏道ぐるぐるしてた時期がありまして、そのとき一度見てはいたのですが、自分が99レベかそのくらいだったのでげっとはオリさんに譲ったのですね
 そして自分がほすぃ!!となった、と……(
 フレとギルメンを多数巻き込んで一緒に裏道をぐるぐるしました。ぐるぐる。ぐーるぐる
 厄介なのが周回すれば出やすくなるらしいそのカウントというのが、週末でリセットだったということです。てっきりメンテだと思ってフレと間に合うかなーとか言いつつ周り始めたというのに…まさかの週末だなんて…もうちょっとしかないじゃない…
 ということで一昨日、けっこー周りました。数を数えると嫌になるかと思って(バモで経験済み)今回はひたすらハムスターのようにぐるぐるしました
 そして!ひたすら周り続けて 昨日!ついに現れました…!唸り声に感動して瞬間のSS撮るの忘れてた…


gigura4.png


 ギグラさんやー!!二度目まして!さっそくですがげっとされてください!とバモをけしかけるモレンド←


gigura5.png


 フレに手伝ってもらって無事げっとしました!名前挙げていいのかな?いいよね?駄目だったら速攻消すので言ってくださいねギールさんクートさん!おかげさまでギグラ充になれましたーありがとう~~
 今日はうろうろしてSS撮ったりおうちにギグラさんを配置したりしてました(*´ω`*)


gigura1.png


 左が例の装置(名前…)で配置のギグラたん。右が召喚してみたギグラたん。サンドイッチができるね!(
 個人的には大きい方が好きですが、まぁでもバモみたいに大きいとやっぱりモゴモゴなので小さい大きさで妥協します…


gigura2.png


 装備つけてるので装置の上のギグラたんにも乗れますヽ(´ー`)ノ 装置は地面の中なのでパッと見おうちにふつーにいるみたいだ…!
 しかし、上のバモのファッション装備をつけているはず(左のギグラ)が、全然別の装備をつけているようにしか見えないのは…仕様という名のバグなのだろうか……
 何はともあれ、げっとできたのでよかったー。回数リセット食らうところだった


gigura3.png


 やはり雪国が似合う色合い!今度は夜の時間帯にいい景色のところで撮ってみようと思いますヽ(´ー`)ノ


【 2015/01/25 (Sun) 】 ドラゴン | TB(-) | CM(8)

「甘ったるいニルバーナ」5ページめ



 水場がそこここにあり、常に湿って暗い地下の洞窟は、我々にとって天国であった。
 地下であるから陽射しは届かず、おかげで鱗が乾燥する、ということもない。乾燥して背中が痒くなればのたうち回ってその痒みと格闘したものだが、洞窟内ではそんな心配は皆無だ。陽射しが眩しすぎて視界が利かないということもない。
 餌としては、繁殖力が強く、喰っても減らないネズミと、多少残せばまた増えていく貝や甲殻類がある。
 味に飽きる…といえば身も蓋もないが、同じものを食べ、同じ場所で眠り、仲間とぼんやりしながら、のそのそ歩いて散歩して、たまに誰かと誰かが喧嘩して、眠る。陽射しがないが故に一日の経過時間など分からず、気にせず、食べたいときに食べ、眠りたいときに眠り、散歩したいときに散歩して、あとは仲間とのらりくらり。それがナロールの巣の日常だった。

 そんな平穏が壊れたのは、あの女がやってきてからだ。
 この辺りでは見慣れない、灰色の鱗をしたフライドラゴンを連れた女。

 ナロールの巣はアクアドラゴンの住処だからと、最近は人間などやってくることもなかったものだが、女はやってきた。背中に大振りの鎌を携え、いかにも手慣れた様子で、一人と一匹で仲間を切り刻んでいった。
 唸り声を上げて女とドラゴンにここから出て行けと警告していた仲間は激怒した。その怒りは皆に伝染し、あっという間に女とドラゴンは我々の敵となった。
 我々は連携プレイが得意だ。伊達に同じ場所に同じメンツで暮らしてはいない。声を上げなくとも目配せだけで何をすべきか悟れる。
 まず、女は後回しだ。鱗の硬さと対人間戦に自信のある誰かに任せ、先にフライドラゴンの翼を折ることにする。
 女の鎌の鋭さも厄介だが、フライドラゴンの魔法攻撃もまた厄介だ。目が眩む閃光を放ってくるのがとくに痛い。薄暗さに慣れたこの目に強すぎる光は足さえ止まる。まずはあの閃光を絶たねば。
 我々は圧倒的な数でフライドラゴンに襲いかかった。折れてもすぐに生えてくる鋭く硬い牙でその翼を食いちぎり、爬虫類のような奇妙な悲鳴を上げるドラゴンの首に、足に、かじりつき、食いちぎっていった。
 圧倒的な数でフライドラゴンを地に伏した我々の次の標的は女だ。ここへ何をしにきたのか知らないが、こちらは警告し、そちらが仕掛けてきた。殺されても文句は言えまい。
 大振りの鎌を振り回し応戦していた女だが、連れのドラゴンが殺られたと見るとあっさり退散した。逃げ足の速い女だった。素早く洞窟の入り口に繋がる水場に飛び込んだ女を、追ったとして、おそらく追いつけまい。追いついたとして、数でかからねば、あの鎌に首を飛ばされてしまうだけだろう。我々は目配せで互いにそう判断した。深追いは禁物。ただでさえ仲間が数匹、首を飛ばされてしまった。
 嵐のような襲来のあとに残されたのは、平穏が掻き乱された洞窟と、血のにおいと、肉の塊がいくつか。
 我々は、味に飽いていた。ネズミと貝、ほとんどそれだけしか口にしないこの洞窟の生活は、平和であれど、少々飽きる部分があったのも確かだ。
 皆が密かに互いを探り合い…そして、仲間だった屍体を食べることにした。
 最初は遠慮がちに。しかし、硬い鱗を避けて腹の部分を貪っているうちに、次第に競い合うようになり、我先にと喰い散らかすようになり……。気がつけば仲間の屍体は硬い骨と頭を残すのみとなっていた。
 最後に残ったのは女の連れだったフライドラゴンの屍体だ。翼を折られ、首や足を食いちぎられ、もう食べるところなど少なかったが、まだ食べられる部分が残っていた。
 しかし、これがなんとも、まずい。
 しかし、そのまずさすらここでは新鮮だ。毎日同じ食事ばかりしていたせいだろう。新しい触感や味が、それがまずいと言えるものでもなんだか魅力的に感じるのだ。少なくとも、ここで喰いっぱぐれれば、もう機会がないかもしれない。それなら、まずくとも、喰うしかない。
 我々はフライドラゴンの屍体を取り合うようにして貪り喰った。アクアドラゴンのように硬い鱗がないせいか、がっちり噛んでしまえば足も翼も首も簡単にちぎれた。やわいものだ。なんともまずいが、喰えないことはない。
 ばき、ぼき、両顎で咀嚼し、最後に残ったフライドラゴンの頭を噛んだ。ぽいっと空中に放り、ばくりと一口で口の中に入れ、ばき、ぼき、と噛み砕く。
 こうして洞窟内の屍体はさっぱりなくなった。血のにおいもいずれ水に溶けてしまうだろう。
 残った骨や肉の欠片など、細かいところはネズミに譲ってやろう。繁殖してもらわなくては、我々の餌が減ってしまうしな。



 それから、洞窟内に、また変化が訪れた。
 同じ場所で同じものを食べ同じように生活していた仲間達が、なぜか短気になり、よく喧嘩をするようになった。些細なことでも気に障ると激怒した。しまいにはどちらかが動かなくなるまで全力でぶつかり合い、勝者は敗者を貪り喰うようになった。
 皆ほどではないが、かくいうワタシも、喉が渇く。常に渇いている。それが日常的な苛立ちに繋がっている。
 水を飲んでも癒やされない。ネズミを喰らっても満たされない。
 満たされたくて食べ続ける。満たされたくて飲み続ける。
 そのうち洞窟内のネズミや貝、餌の類が喰い尽くされ、外に出なければもう餌がないという状態にまで陥った。

 それでも食べ続ける。
 それでも飲み続ける。

 陽射しで鱗が乾き、背中が途方もなく痒くなる。だが、浜で砂をつつく鳥を見たら、そんな痒みのことなど忘れてしまう。あれを食べたら満たされるかもしれない。この渇きが癒えるかもしれない。最早ワタシの頭にあるのはその一点だけだ。

 鳥を食べた。
 満たされなかった。

 カニを食べた。
 満たされなかった。

 喉は渇くばかりで、いくら食べても渇きは募っていく。満たされることがない。口にした瞬間から抜け落ちていく。まるで喉にそういう穴でも開いているかのように。
 浜の向こう、遠くに聳えている大きな壁。あの壁の近くには、浜とは違う生き物がいると聞いた。そう、人間とか。
(人間……)
 そう。人間。いや、女。
 あの女が来てからナロールの巣は、仲間は、ワタシは、変わってしまった。
 説明しようがないこの渇き。飢えとも呼べるこの感覚を、満たすこと以外、考えられない。
 人間がこの渇きを持ってきた。ならば、人間を食べれば癒えるかもしれない。
 ああ、それにしても背中が痒い。痛い。乾きすぎた鱗が根本からべりべりと剥がれていくようだ。
 目も、なんだか変だ。半分以上が白く色が飛んでいる。
(人間)
 ああ、早く人間を食べなくては。そうしたらこの渇きは癒えるかもしれないのだ。奈落のようなこの飢えが満たされるかもしれないのだ。
 さあ、早く、早く、早く、早く、早く、
 早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早くはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤク、


 ハヤク、ニンゲンヲ、クライツクセ。


【 2015/01/22 (Thu) 】 甘ったるいニルバーナ | TB(-) | CM(0)

ペット以降…


 当たりがこない感じのモレンドです。というかペットで引き運を使い果たしたとでも……(´Д⊂ヽ

 50種類のドラゴン大量放出!50%OFF真冬のクリアランスセール開催!

 このセールのリーン・アリソンの出るパックを30こは買いましたが出ませんでした…orz
 時間限定でやっていたポテンとムチのパックのときもポテンパックをかなり買いましたが1000か5ですべて5こポテンしか出なかったYO…(´Д⊂ヽ
 最近はスーマに行くことが増えたのでスーマ用に回復鳥役にメロディを育てていて、ポテンフードが入り用なのですよ…。ミシェルがもうちょいでカンストだけど先にメロディをトレ100にして回復鳥を完成させたいと思っております。。ポテンフードぉ
 ぼちぼちハウスの卵も増えてきているものの…
 あ、ハウスといえば、ハウスのことはまだ載せてない?気がするので、一応モレのおうちをご紹介
 土地を買うと毎日の家賃が高い感じになるので、現在アパートでシークレットエリアを設置して我が家としております


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 全体的にはこんな感じです。面白みも何もない普通のおうち…^p^
 クリスマスのツリーとかかまくらとか雪だるまとかお正月の鏡餅とかが混在しております

 
housu2.png


 バディリストのドラを表示させる…装置名を忘れましたが、いつかにガチャしたときに当たったやつで、今はカエルーレオを表示させております。鞍とか装備つけるとこのカエルーレオに乗っかれます!よく鞍の上に座って一人満足しております、モレンドです\(^o^)/
 カエルーレオの卵をそろそろ…そろそろインキュベ始めたい…だがしかし、また広場に立つのダルいやいやダルくないよ!そのうちね!そのうち……


heya1.png


 家の中はといえば現在こんな感じ。卵の置き場を確保するためにいろいろ取り去ったらなんかさみしいことに(´・ω・`)
 暖炉とベッドがあるのでとりあえず満足してますが、なんかいいハウスアイテム出ないかな…。そろそろバレンタイン的な?何かが出そう。でもハートとかはいらないかなぁ(

 卵といえば、ローザバフェット!報告が遅れましたが、無事マックスステで生まれました!


tamago9.png


 課金卵はちょっと豪華に、卵の中央付近に宝石みたいな紅い光が灯るみたいですね


remu1.png

remu2.png


 モレの盾っことして、メロディ→ミシェルとトレ100になったら育成を開始する予定です…\(^o^)/今はとりあえずスキルをマックスレベルにしようとタスクで修行中
 今月は宣伝部手当いつもよりたくさんもらったのに、パックとかパックとかパックとかでとっくに使い果たしました。モレンドでした/(^o^)\ポテンフードぉ

【 2015/01/20 (Tue) 】 ドラゴン | TB(-) | CM(0)

「甘ったるいニルバーナ」4ページめ



「なんだい、この書類は! 年寄りを馬鹿にしてんのかい!」

 ばん、とテーブルを叩く音とばーちゃんの金切り声で目を覚まし、ベッドの上で寝返りを打った。
 窓の外はまだ暗い。父さんは昨日は夜番だったはずだから…帰ってきたばかりで、きっと今は明け方頃なんだろう。ばーちゃんは早起きだからこのくらいから起きてても不思議じゃない。
 布団を頭まで被って二度目を決め込もうとする怠惰な頭にまたテーブルを叩く音が聞こえた。「お義母さん、モレンドが起きます」父さんの控えめな声も。
(うるさ…)
 こんな朝から、一体なんの話だろう。ばーちゃんは朝から何を怒ってるんだろう。
 昨日も夜まで一般兵のやる仕事を教え込まれていたから眠い。まだ寝たい…。今日は丘で実地訓練の予定があるし、まだ寝てたい…。

「議会は何を考えてるんだい!」
「仕方がないですよ。こうも兵が減っては…」
「仕方がない? だいたいね、最近の議会はおかしいんだよ。どうしてベテラン兵をもっと寄越さないんだ。これじゃ新米に死ねと言ってるようなもんだ」

 ばーちゃんの辛辣な死ねという言葉が頭のどこかに突き刺さって、なんとか怠惰と眠気を払いのけ、布団を掴んで顔を出す。またテーブルを叩く音がする。
 一体何なんだ、明け方から喧嘩かと働いてない頭で思って、窓枠の向こうにぽつんと2つ赤い光点があってぎょっとした。メロディ…だろうけど、お前もなんだってこんな朝早くからいるんだ。うちに来たってご飯はないぞ。

「ナロールの巣に調査隊を送る? 調査隊ってのはなんだい。ここに書いてある名前はこの間まで見習いだったひよっこの集まりじゃあないか。これで調査隊だって? アクアドラゴンの餌になりにいくようなもんだよ!」

 もそもそ起き上がりかけた中途半端な姿勢で一時停止する。まだ泥の中に沈んでいた意識に容赦ない氷水がかぶせられ、眠たかった目が一気に冴えた。
(ナロールの巣に、調査隊…)
 ぼふ、とベッドに腰かけて手を伸ばし、施錠していた窓を開けてやると、メロディが窓枠に飛び乗った。カチカチと歯を鳴らしている。暗いからよく見えないけど、赤い目の上辺りが頭だろ、と適当に撫でてやる。…メロディにしては珍しく大人しいというか、振り払ってこないというか。
 部屋の向こう、扉一枚隔てたリビングダイニングではまだばーちゃんが怒っている。
(そうか。調査隊か。ばーちゃんが怒ってるってことは……俺も、出るんだな)
 丘を越えアンダワルドに侵攻しようとするアクアドラゴン。なぜアクアドラゴンがこんな行動を取るようになったのか…謎を解けば、アクアドラゴンとの衝突は避けられるようになるかもしれない。もしくはその逆で、ジドレイとナロールの巣を完全に隔絶しなくてはならなくなるかもしれない。どちらにせよ、アクアドラゴンの巣窟であるナロールの巣の調査が必要になる。どうしても。あの場所の現状が分からなければ、こちらも打つ手がないから。
(そうか……)
 布団を被ったまま背中を丸くして蹲る。
 布団越しでもばーちゃんの金切り声が聞こえてくる。それをなんとか宥めようとしている父さんの声も。
 父さんも母さんも兵士だった。だから俺も自然と兵士の道を選んだ。
 それ以外に道があったかと言われれば、オーセラ人とサークス人のハーフである身の上を考えれば、これ以外に道はなかったと思う。
 兵士になるということは、武器を取るということであり、戦うということであり、命を懸けるということでもある。
 その覚悟を決めていたかと言われると、正直怪しい。
 俺はもう兵士になったんだ。もう見習いという庇護下にはない。
 ちょんちょんと背中をつついているのはメロディだろう。…もしかして、俺を気遣ってるのか? そういうこともできるんだな。知らなかったよ。
(そうか。俺、戦場に、出るんだな)



 陽が昇り、朝になって、全兵に召集がかかった。まだ朝靄も残る空気の中、アーティシアから派遣されてきた部隊の中で一番偉いらしいウェンダという女の人がヒールの高い音を鳴らしながら屯所の教壇に立つ。
「敬礼!」
 本当なら絶対安静のはずのバリック隊長の声に兵士全員が右手で敬礼した。見れば、車椅子で部屋の入口にいる。熱い性格を考えてか隣には医師らしい人の姿もある。
 どうやら今朝の会議はそれだけ重要なものってことみたいだ。…たぶん、今朝ばーちゃんと父さんが話していたことだろうけど。
 この場で一番偉いのは、教壇に立った女性、ウェンダらしい。この人が指揮を執るってことか。
「挨拶は省略しよう。手短に、要件のみ述べる。
 皆、すでに理解していようが、アンダワルドへ侵攻しようとするアクアドラゴンの問題はスカイハンマーにとって解決しなければならない急務だ」
「………」
 やっぱりその話か。
 ベテラン兵が新米兵士に書類を配っていく。俺はその中身をもう知っていた。今朝父さんが持ち帰ってきたものだからだ。そっくり同じだった。怪我人を除いたほぼ全ての兵士がスカイハマーゲイルを連れてナロールの巣へ潜入し、内部を調査し、アクアドラゴンが変容した原因を探る。
 班は大きく2つに分かれる。内部のアクアドラゴンを引きつけ戦う役割を担うA班、洞穴の深くまで行き内部の調査をするB班。俺はB班、父さんはA班に配置されている、その無慈悲とも言える内容の書類をパラパラとめくった。メンバー構成はベテラン兵はA班が多いけど、新米に指示が出せるようB班にも数人いる。この調査隊自体に無理はあるけど、配置はこれが上々か。
 調査隊の最終到達目標は、最深部、ナロールの巣と名付けられたこの洞穴の主、ナロールの子孫のもと。
 もし、万が一、古代種とも言われるナロールの末裔がアンダワルドを襲うよう指示を出していたとしたら……この調査隊の目標はナロールの末裔の撃破ということになる。それができるかどうかは別として。
 考え込んでいると、ガターンと大きな音がした。音のした方を振り返れば一番端の席の新米兵が一人、部屋から走り去るところだった。憶えがある。ずっと見習い兵でいたいって言ってた奴じゃないかな。名前は憶えてないけど。「おい待て!」ベテラン兵の一人が追おうとすると「放っておけ」と突き放した声でぼやいたウェンダ隊長が書類を教壇の机に叩きつけた。バシ、と乾いた音が鳴る。
「臆病者は逃げ出してもらって構わん。連れ戻したところで同じことだ。足手まといになるのなら初めから切り離すのみ」
 突き放した物言いにまた一人、新米兵が書類を放り投げて走り出ていった。そしてまた一人。その度に空気がざわついていく。
 このままでは新米兵が一人も残らないと思ったのか、ベテラン兵の一人が恐る恐るという感じでウェンダ隊長の脇に立つ。「しかし、ウェンダ隊長。アンダワルドの兵士の数は多くありません。派遣兵の我々を合わせても作戦の遂行に支障が出る可能性も…」「それがどうした。本作戦はアーティシア議会の決定。我々は命令に従う。それ以外にあるのか?」氷のように冷たい眼差しだった。バリック隊長が情熱や熱意で兵の士気を上げる人なら、ウェンダ隊長は冷静沈着な眼差しで戦況を盤面図として捉え、指揮を出す…そんな感じか。
「いえ。相違ありません」
 敬礼したベテラン兵にウェンダ隊長はふんと一つ吐息して長い髪をかき上げた。そこでぱちっと目が合って見すぎたと慌てて書類をめくる。ただでさえ目をつけられる生まれなんだから、これ以上目をつけられるのはごめんだ。
「戦う意志のない兵など犬死にするだけだ。必要ない」
 それが誰に向けられたものなのか、顔を伏せた俺には分からなかった。
 ただ、氷のように冷ややかな声には、ほんの少しの嘲笑が含まれているように感じた。


 作戦は明日の明朝に決行。集合場所はアンダワルドの門前。
 今日は朝の会議だけで、明日まで自由行動になった。
 屯所を走り出ていく新米兵が多い中、俺は静かに席を立って父さんのところに行った。片腕のない父さんは読みにくそうに片眉を潜めつつ書類をめくっている。その父さんの横に座って、同じように書類を眺めた。もう最初から最後まで目を通したからとくにリアクションも浮かばない。
「怖くないか? モレンド」
 ぼそっとした声に、いつかもそんなことを訊かれたなと思いつつ、顔も合わせないまま「何が?」と返す。父さんはめくりにくそうにしながらまた一枚書類をめくった。「初めての作戦で成功率は低い。親心を言うなら、お前には行ってほしくないところだ」ぼそぼそした声に小さく笑う。
 怖くないか。そりゃ、少しは怖い。父さんの言う通り、この作戦は無謀だ。犠牲は必ず出る。それでいて成功、成果があるかは分からないときた。とても新米兵が取り組む初任務にふさわしいとは思えない。
「でも、やるしかないでしょ」
 これが議会の決定だから、じゃない。こうしなければ結局何も変わらないからだ。
 ここから逃げて目を背けることは簡単だろう。普通の人なら、『アンダワルドは危険だから逃げてきた』ですむ。けど俺達はそうはいかない。逃げて目を背けることは、後ろ指を指されて『やっぱりサークス人は卑怯者だった』という言葉を肯定することになる。俺達は逃げられない。
 俺や父さんのことを、あなたは何も悪いことなんてしてないんだから、と言ってくれたあの人の誇りを、失くしたくない。
 ぐっと拳を握って、解く。
 大丈夫。明日までに覚悟は固める。
「俺は戦うよ」
 父さんの方は確認するまでもなかったので、自分の意志だけ伝えて、書類を小脇に抱えて屯所を出た。
 早々にアンダワルドに見切りをつけたらしい新米兵とその家族が慌ただしく荷造りしている。かと思えば屯所脇ではやる気いっぱいに剣の素振りを練習している新米兵もいる。
 この景色も見納めになるかもしれない。
 住み慣れはしたけど馴染めなかったアンダワルド。あたたかくも冷たくもなかった人達。
 母さんの墓にお参りに、花屋で花を買った。簡単な花束を墓前に添えて、手を合わせ、いつものように笛を吹いた。そのうちメロディが飛んでくる。
「明日が初任務なんだ。成功率はかなり低いと思う。…メロディ、お前来る気か?」
 前半は墓石に語りかけて、後半は隣で首を捻っているメロディに向けた。バサバサ翼をはためかせてアピールするところを見るに、駄目だって言われても勝手についてくる気でいるんだろう。…物好きな奴。死ぬかもしれないのに。
 まぁ、いいか。メロディがそうしたいって言うなら。どうせ明日はパートナーとして連れて行くドラゴンを選んでから行くことになる。全く初対面のスカイハマーゲイルより、慣れ合ってきたメロディの方が連携も取りやすいだろう。
 父さんもきっとここに来るだろうからと、早々に墓石が並ぶだけの寂しい丘をあとにして、アンダワルドの商店街を歩いた。馴染めないままだった人混みと空気の中を抜けて大きな門をくぐり、周囲に気を配りつつ、ジドレイの丘を行く。


ナロール 全景メロディ入り リサイズ


 アクアドラゴンが浜の生物を襲う光景があちこちで見られる、その向こうに、大きな洞穴がある。
 明日。俺はあそこに行く。


【 2015/01/14 (Wed) 】 甘ったるいニルバーナ | TB(-) | CM(2)

明けてます、おめでとうございます


 新年早々忙しかったのとサボっていたので今頃明けおめことよろの記事を書いてます。モレンドです
 明けてますおめでとうございます。本年も当ブログとモレンドをよろしくお願いします^^
 さて、年明けメンテで今月の人事発表がありましたね!

1月度ドラプロ宣伝部人事発表

 先月から「甘ったるいニルバーナ」のお話を掲載し始めたので、ちょっとドギマギしつつそっと人事部ページを開くと…!!


meisi.png


 やっほーい!宣伝部担当以外で初めて役職をもらったぞーい!ヽ(=´▽`=)ノ
 小説効果?が大きい気がしますが、小説以外のプレイ記だってちゃんと頑張ります…!
 ということで今回は普通の記事です( ^ω^)



 今回のメンテで↓のドラのガチャが引けるようになったのですが、


dora18.png


 うーむ…大きいのはなんだかかわいくない…。エンシェントだし。オリジンだったら引いたかも…でもエンシェはたくさんいるから、今回は見送りかな…
 とドラの方は見送ることに決めたモレンドですが、今回はこのドラのチビ版ペットのガチャもありまして


petto5.png


 ペットといえば、ハロウィンのときに買った幽霊か、サイレントタワーで出た青いマンモス…的なものしか持っておらず(名前忘れた)マンモスの方はまだペットのないリュングに渡してしまったので、モレンドにはやはり幽霊ペットしかいないわけで
 そろそろ モレンドも かわいい収拾ペットがほしい!!
 というわけでガチャりました← 配布APあるし、使い切るつもりで!

 ガチャること10回…「まぁそう簡単に出ないよね…」
 ガチャること20回…「ま、まだかな…」
 ガチャること…28回め…!


petto1.png


 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 本当に使い切る直前でしたが、無事にげっとしました!


petto2.png


 やはり思っていたとおり、小さい方がかわいい…!これからはこの子に収拾をお任せしようと思いますヽ(`▽´)/


petto3.png

petto4.png


 一生懸命飛んでるのもかわいいし後ろ足で立ってるのもかわいい…
 ドラ確定パックが年末からどんどんきてますが、買いたいものはないままです…。色違いじゃなくて新作で確定は出ませんか。出ませんかね。待ってるYO
 そういえばローザたんがマックスステで孵ったのですがまだSSが撮れてないので、そっちはまた今度で><
 ミシェル(黄色いひよこドラ)が次ポテンあげるとやっとトレ100ですぜ~~ポテン化がんばろ…そしたら次はレムルローズ(ローザたん)を…
 カエルーレオの卵を持って立ちたいところですが、気力がないので、また今度で…^p^

【 2015/01/11 (Sun) 】 ドラゴン | TB(-) | CM(0)

「甘ったるいニルバーナ」 ~番外編・メロディの憂鬱~



 『小さい自分』というのがそれはもう嫌いだった。小さな子どもの同族と並んでようやく同じくらいという大きさの自分がそれはもう嫌いだった。
 体格は力の大きさに比例する。そう、翼の美しさが異性を惹きつけるように、それはドラゴンの間での常識だ。
 鳥型のわたしたちはどちらかといえば賢さで重宝される部類だが、それでも力が無関係ということにはならない。力はある方がいいに決まっている。だから、わたしは小さな自分が嫌いなのだ。
 同年代の中で一番小さい自分。ああ、考えただけで憂鬱だ。いつもいつもわたしを惨めにさせる悩みの種。そして、こればかりは努力でどうとなるものでもない、解決しない悩み。
 わたしは今日も解決しない憂鬱に支配され、ドラゴンポストと呼ばれるドラゴンばかりが集められた建物の端でふて寝を決め込む。
 今日は空を飛びたくなる気持ちのよい天気だったが、わたしの心はいつもの雨模様だ。
 そう、すべてはいつものことだった。にわかに辺りが騒々しくなるまでは。
 スカイハマーゲイルという、人間に慣れ親しんでいる賢い同族たちが何事かを囁きあっている。天気のよさなどすっかり忘れたような潜めた声で。

 聞いたか? サークス人の一家が越してくるという話
 父親が、だろう。母親はオーセラ人だと聞いた。子供はハーフになるな
 かわいそうに

 囁きあうような声に片目を開けてきょろりと視線を巡らせる。魔法の玉で訓練用のかかしを撃ちながら、仲間は器用にひそひそ話を続けている。

 しかし、なぜアンダワルドに? 自ら監視下に置かれようというのか
 決めつけはよくない。オーセラ人でも悪に堕ちた者がいるように、サークス人でも善に染まった者がいるやもしれない
 どちらにせよ、生まれた子供に罪はないが…難しい話だな

 その日は、昼のご飯、休憩時間、おやつの時間、夜のご飯、就寝にいたるまで、その話題でもちきりだった。明日は雨らしいと空気の変化で感じ取ったが、誰もそのことを指摘しないほどには、サークス人とその子供に当たる人間のことの方が皆にとって重要だったらしい。
(サークス人とその子供)
 話には聞いたことがある。
 遠い昔、優れた種族であるにも関わらず野心を抱き、クロノスと結託したサークス人は、オラディアとドラゴンを混沌の中に落とし込んだという。そののちに繋がるのが第二次ドラゴン戦争…と、耳にうるさく聞かされた気がする。そして現在も、サークス人は敵なのだ、と教えられてきた。
 狡猾で、貪欲で、腐敗した人種。そう語り継がれてきたサークス人の父親と、その子供が、アンダワルドにやってくる。人間にとってもドラゴンにとっても、どちらからも歓迎されない。それは簡単に想像できた。石を投げられるなどと子供がするような扱いは受けまいが、それよりも冷たく鋭い視線に晒されることだろう。それはとても生き難いことだ。ない罪がやがて罪を呼び寄せるのではないか……仲間はそう深読みしているらしい。
 ふん、と息を吐いて翼を広げ、雨が降る前に、夜の空に飛び立つ。
 見た目は鳥に近いフライドラゴンが鳥目ということはない。梟ほどとはいかないが、夜の景色もよく見える。星の色も、静けさに包まれる雲の海のうねりも、よく見える。
 仲間がひそひそと話している声はもう聞き飽きていた。
(サークス人。だからなんだ)
 アンダワルドの中に自らやってくるのだ。伴侶と決めた妻がいて、子供もいる。サークス人と知れればどんな扱いを受けるのかを知っていながらここにやってくる。勇気ある行動だ。覚悟ある行動だ。それを今から疑うことはないだろう。
 わたしは丘の上の大きな木に止まり、翼をたたんで、星の瞬きと雲の海のうねる様子を眺めた。
 久しぶりに自分のこと以外でブツブツと考え、しまいには考えることに疲れていつもの建物に向かって飛び立ち、空気が湿ってくる前に巣に戻った。
 明日は雨だ。外で寝るわけにもいかない。翼を乾かすのは手間だ。一時的にでも飛べなくなるのは手をもがれることと同じ。仲間のひそひそ声を聞くのはなんとなく気分が悪いが、我慢しよう。


 翌日。あいにくの雨模様の中、駅舎から、サークス人の一家がアンダワルドに到着した。わたしはそれを上の方から眺めていた。
 雨の勢いに参った顔をしている、小さなあれが子供で、男の方を小突いているのがオーセラ人の母親で、気弱そうな顔をしてリュックをあさって傘を引っぱり出したのがサークス人の父親だろう。
 出迎えなどはいなかった。降りしきる大粒の雨の中、一家はまるで世界に拒絶されているかのように孤立して見えた。
 いつもならそれなりにうるさい商店はこの雨ですべて店じまいし、通りには人っ子ひとり見当たらず、誰の声もしず、誰の姿もない。雨が地面や建物を穿つ音がすべて。
 大人二人が傘を広げ、子供はその二人に手を引かれながら、泥の道を歩いて行く。



 サークス人の一家がアンダワルドに越してきたその日から、わたしはそれとなく訓練所を抜け出しては一家の様子を…子供の様子を見に行った。
 子供は名前をモレンドといい、まだ自分の生まれのことを気にしていない、気付いていない、ただの子供だった。
 わたしはモレンドを木の上や建物の屋根から観察し、真新しい街に浮き足立っているその顔が絶望に突き落とされたときのことを想像しては自分を慰めた。わたしは彼よりマシ、彼より救いがある、と思うことでほんの少し消えない憂鬱が和らいだが、かといってそれが心地よいかといえば、そんなことはなかった。
 これでは下等な生物のようだ。他者を見下すことでしか己を保てないなど、そんな存在、たとえ自分であっても、ドラゴンの片隅にも置きたくはない。
 それでもわたしはモレンドを見下ろすことしかできない。
 なぜなら、わたしは人間に通じる言葉を持ち合わせていない。そして、他人にかける優しさなど、持ったこともない。どうすればいいのか分からない。わたしはただ屋根の上から商店街を走り抜けるモレンドを見下ろすだけだ。小さなあの子供が自分の生まれと境遇に絶望したときのことを思いつつ、自分よりかわいそうな存在を作ることで自分をマシだと慰めつつ、そんな下等な生物に成り下がっていく自分に落胆しつつ、ただただ見下ろすのみ。

「サークス人とは遊ばないよ」
「あそばないよー」
「おまえ、悪いやつのこどもだろ。オーセラ人のホコリが傷つくから、どっかいけよ」
「どっかいけよー」

 アンダワルドの子供が子供らしい純粋さで容赦なくモレンドのことを否定し、呆然としている彼を置き去りにして楽しそうに駆けていく、そのときも、木の上から彼のことを見下ろしていた。わたしが何度となく想像した出来事がついに起こったのだ。
 同じくらいの子供のグループが遊んでいるのを見つけて、声をかけたモレンドは、子供たちが去っていった方向を呆然と見つめていた。
 だが、泣かなかった。あるいは、泣けなかったのかもしれない。
 わたしはたたんでいた翼を広げた。空に舞い上がり、モレンドの背後に羽音を殺しながら近づき、その小さな背中を加減して蹴りつける。
 わたしは小さいが、わたしより小さいモレンドは簡単に転んだ。それも顔面からだった。狙ったわけではないが、そこまで見事に転んでくれるとなんとなくやってしまった感もある。
 だが、さあ、どうだ。これで泣く理由はできただろう。背後からドラゴンに蹴りを食らって転んだのだ。子供に仲間外れにされたことで泣けなくても、今なら泣いたって何もおかしくはない。遠巻きにこちらを見ていた大人にも泣くに値する理由はできただろう。今なら泣いたって何もおかしくはない。
 だが、モレンドは泣かなかった。転んで砂だらけになった顔を持ち上げ、わたしを振り返り、叩いてはきたが、泣くことはなかった。
(強情な奴め)
 わたしは口でモレンドを突っつき回し、ようやく奴を泣かせることに成功したときには周りはにわかに騒がしくなっており、しかし、誰もわたしとモレンドの間に入らないという異様な事態になっていた。治安維持が仕事のはずのスカイハンマーの兵でさえちらちらとこっちを見ているだけで止めに入らない。
 サークス人だから仕方ない。そんな暗黙の了解が漂っている。
 気のせいか、住み慣れた街の空気が悪いと感じる。

「モレンド!」

 母親の方がようやく駆けつけ、砂埃だらけで誰にも助けられなかった哀れなモレンドを抱き上げ、わたしの頭をげんこつの重い一撃で殴り飛ばした。オーセラ人の一撃は小さな頭にジーンと響いてくらくら視界が揺れる。
 さすがオーセラ人。一発が重い。
(失敗だ。間違いない)
 ファーストコンタクトを間違えてしまったな、と思ったが、何もせずに木の上から見下ろしているだけよりはマシだろう。そう思うことにする。記念すべき? 一歩目は盛大に間違えた感が否めないが、そこで傍観していた大人よりはマシ…なはずだ。マシでなかったとして、これからマシになっていこう。そうしよう。
 兵士に捕まる前に空に飛び上がり、モレンドを抱えて小走りに帰宅を急ぐ母親の姿を視界に収める。
 

 わたしは、わたしのために、お前に関わっていこう。哀れなモレンドよ。わたしよりも苦難の道を行くことを運命とされた者よ。
 わたしは『小さい自分』というのがそれはもう嫌いで、毎日毎日変えようのないその悩みに憂鬱になっていた。
 お前がやってきて、わたしは自分のことをまだマシだと思うことができるようになった。
 小さなわたしは器まで小さなドラゴンにはなりたくはない。
 だから関わっていこう。お前に。災厄を呼ぶと言われるお前が、本当に罪を呼んだりしないように、ない罪の中に堕ちないように、その首根っこをくわえてやろう。
 罪に堕ちることなかれ。罪に染まることなかれ。それはお前とは無関係だ。
 お前がわたしの憂鬱を和らげたように、わたしもお前の憂鬱を和らげてやろう。
 ……つまり、まぁ、なんだ。種族は違うが、友達というヤツになってやるよってことだ。 


【 2015/01/04 (Sun) 】 甘ったるいニルバーナ | TB(-) | CM(8)
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モレンド

Author:モレンド
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